TQE合格者インタビュー

【第58回TQE「社会・経済(中国語)」合格】 野村 潤子さん

1. 自己紹介をお願いいたします

昨年11月に行われた第58回TQE社会・経済の中文和訳に合格し、今年1月に翻訳実務士の認定証を頂きました。
日中国交正常化40周年という記念すべき年に認定証を頂けましたこと、大変嬉しく思っております。

2. これまでの中国語学習歴を教えてください

中国語はほぼ独学です。旅先の北京で喉を潤してくれた香り豊かな一杯の中国茶との出会いが学習開始のきっかけとなりました。ラジオとテレビの中国語会話でゼロレベルからスタートし、数カ月後には簡単な日常会話はできるようになりました。学べば学ぶほどに中国語の魅力は増し、やがて現地で生の中国語に触れたいと強く願うようになり、日本語教師の資格を取得して中国に渡り、現地企業や大学で中国人学習者に対する教育等に携わりました。その間1年ほど現地の外国語大学に在籍し、中級クラスと上級クラスで中国語を学びましたが、好きな授業しか出席しませんでしたので、あまり真面目な学生だったとは言えません。

3. これまでの翻訳学習歴を教えてください

専門的な学習をした経験は全くありません。
ただ、中国在住時より業務上の必要に迫られて、あるいは利便性を高めるために何らかの翻訳作業を迫られておりました。訳文の質については、相手の反応を窺えば一目瞭然でしたので、ある意味実践で鍛えられたと言えるかもしれません。その意味では、出会ってくださった日中両国の方々の全てが、今、尚、私の翻訳の師であり、目にした活字の全てが翻訳の教科書であり資料であると思っています。

4. 翻訳をしようと思ったきっかけを教えてください

大学では食物学を専攻し定量分析に明け暮れる毎日でしたが、幼い頃から文章を書くのが好きで漠然と書く仕事への憧れを持っていました。専門家の先生には叱られてしまうかもしれませんが、翻訳は原文から二次的作品を生み出すというある種クリエイティブな作業だと感じていますので、中国語に出会ってからは「これだ」と思っておりました。また、現地では海外企業誘致パンフレット等の政府刊行物に目を通す機会もありましたし、中国人観光客が増大する昨今では国内でも様々な翻訳ものを見かけます。しかしながら、なかなか「ユニーク」だと感じさせられるものも多く、その都度、もう少し良質なものを提供するお手伝いができないだろうか、とも考えておりました。

5. TQEを受験されたきっかけは何ですか?

上述の通り、専門機関での翻訳学習経験は皆無でしたので、自分の翻訳レベルが果たしてどの程度なのかをその道のプロに客観的に判断して頂きたかったということと、この業界において「TQE合格」は効力のある通行パスになるのではないかと思ったからです。とは申しますものの、私のレベルではようやく通行許可が下りた、といったところでしょう。

6. TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

ことば(用語)の選択には答案提出ギリギリまで悩まされました。原文を下訳した際、幾つか候補があがり、いずれもあてはまるものではあったのですが、その中から最適なものを一つだけ取捨選択するという作業にはかなり時間を費やしました。

7. 苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

日文・中文を問わず問題文に関連する論文や文書に目を通し、用語選択の上での指針とするとともに、中国語学習者であれば誰もが知っている基礎的な単語についても、再度辞書で確認し、吟味したことばを使用するよう心掛けました。
 また、答案の訳者注にそのことば(用語)を使用した理由と根拠となる出典を記しました。

8. 今回合格された中国語の「社会・経済」分野を受験するために参考になる書籍、資料、ウェブサイトなどはありますか

今回は中国の自動車保険約款に関する出題でしたので、その参考資料を日文のみ幾つか列挙します。いずれもグーグルで検索したものです。
「中国自動車保険の諸問題」「中国保険法における保険契約書の必要的記載事項」「中国保険法における告知義務・説明義務」等。よく使用する辞書はウェブ上の「汉典(漢典)」です。

9. これからの翻訳者としての計画を教えてください

翻訳者としての夢は、敬愛する中国現代作家の訳本を上梓することですが、日々修業の身ですので、分野を問わず頂いた案件の一つ一つを丁寧にこなしながら力を蓄え、いずれは「この人に頼めば間違いない」と信頼されるような翻訳者になりたいと思います。道は長く険しいものですが「千里の道も一歩から」です。
 TQEについては、現況では一方向の通行許可証しか所持しておりませんので、折を見て日文中訳にもトライし、双方向の許可証を取得したいと考えております。

10. TQE合格を目指して勉強中の方々に、メッセージをお願いします

専門的に翻訳の勉強をなさっている方々の目には、私は異質な存在と映ることでしょう。その私が敢えて何かを話すとすれば、それは「母語(日本語)の学習の勧め」です。というのは、ターゲットとする言語の種類や和訳・外国語訳を問わず、翻訳をする上でいかに母語能力が重要で、かつ大きな力を発揮するものであるか、ということを痛感しているからです。
 また、分厚い壁に行く手を阻まれることも、望み通りの結果を得られないことも、努力が報われないこともたくさんあります。そんな時は、自分の翻訳に対する気持ちが本物かどうかを試されているのだと思うようにしています。
 そして何よりも、合格者の中には私のような者もいるのだということが、勉強されている皆さんへの大きな励みになるのではないでしょうか。

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