ボストン通信ブログ

近ごろ気になるカップケーキ

ここ2-3年、カップケーキが大人気である。スーパーのベーカリー部門ですら、デコレーションいっぱいのカップケーキが並び、うちの近所では「ケーキ・バー」なる店がメインストリートに出没した。

カップケーキは1ダースのプラスチック容器に入っていてお手軽に買えるものだったのに、今やデコレーションいっぱいのカップケーキはひとつ4ドルとかするのだ。誰がそんなものを買うんだと思ってしまうけれど、目立たない場所にあった小さな「ケーキ・バー」がメインストリートの新しいビルの中にある大きな場所に移ったということは、きっとそういうカップケーキを買う人がいっぱいいるんだろう。

アメリカのケーキがおいしくないというのは、アメリカに滞在したことがある人にはきっと同意してもらえると思う。その中でも、カップケーキというのはおいしくないケーキに慣れてしまって、ときどきそんなのを買っているわたしでも手が出ない。軽いといえば軽いのだけど、スカッとほとんど中身のないケーキ地の上に、粉砂糖とバターを混ぜて作る、なんだかまだ砂糖のざらざらさが残っているようなアイシングというのがのっている。写真を持っていけば、ケーキの上にアイシングでそれを再現してくれるという、人工着色料に関してまったく制限のないこの国では、カップケーキも赤とか青とかものすごい色になっているのだ。

食べ物のアレルギーが増えている今もそれが続いているかどうかはわからないけれども、アメリカの小学校では子供の誕生日にはクラス全員分のカップケーキを持たせるという習慣があった。ケーキミックスを買ってきて、母親が子供といっしょに20何個のカップケーキを作るのだ。それにかわいいアイシングをのっけてできあがり。アメリカ人のカップケーキに対する執着心はここからきているのかなあと思う。待てよ、でもおととしのイースターのとき、お菓子作りが大好きなイギリスの義妹は、かわいくデコレーションされたカップケーキを出したっけ。だったらこれはアングロサクソン系の文化なんだろうか。イギリスの義妹に「この本さえあれば、お菓子作りは何でも大丈夫」と言われて買った、その名も「Baking Bible」という3センチも厚さのある本もカップケーキに9ページを割いている。

ケーキ・バーは、この町で唯一のカフェのあとに開店した。喫茶店の数が全国一という町で生まれ育ったわたしが、Dunkin DonutsとHoney Dew Donuts 以外にお茶をする場所がないことを常々嘆いていた矢先に、ソファなどおいて広々とした空間に地元のアーティストの絵を飾り、お菓子とコーヒーだけでなく、おしゃれなサンドイッチやサラダがあったカフェが開店し、日曜日の午後、たまにコーヒーなどを楽しんでいたわたしにはつくづく悲しい。ケーキ・バーにはカップケーキと各種コーヒーなどの飲み物しかない。注文で作るデコレーションケーキは40ドルから。縁がなさそうだなあとため息。

なんにせよ、ウェディング・ケーキも段状になったラックの上にカップケーキが並べられ、人気のテレビのコメディ番組でも主人公がカップケーキ・ビジネスを始めようとしていて、この人気は当分続くようなのだ。

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