ボストン通信ブログ

選挙まであと3週間

Election signs

選挙まであと3週間を切り、ディベートが毎週行われ、テレビでは大統領をはじめ、州の上院、下院議員候補のコマーシャルが毎日うんざりするほど流れている。企業による政治献金に対する規制が数年前に緩和されてから、テレビのゴールデンタイムに政治家のコマーシャルが絶え間なく流れる。今年は特にアタック・アドと呼ばれる、あからさまに攻撃的な内容のものが多い。大統領選で、共和党候補のミット・ロムニーの支持率がどんどん上がる中、これまでそういった攻撃をしなかった民主党も、なりふりかまわずといった感じである。

共和党の攻撃コマーシャルとしては、オバマの「今、人生で成功をつかんでいるとしたら、それは自分の力だけで到達したのではない」という発言をとりあげ、それは努力を重ねてアメリカン・ドリームを実現した人たちに対する侮辱であるというもの (http://www.youtube.com/watch?v=4Lr49t4-2b8)、オバマ政権の下で経済は相変わらず伸び悩んで人々の生活は苦しいままだというもの (http://www.youtube.com/watch?v=s9Yqj3tvcQc)、2008年にスピーチの中でオバマが「対抗候補者を攻撃するのは自分が新しいアイディアを提案することができないからだ」と発言したにも関わらず、ロムニー批判を繰り返していることを揶揄するもの (http://www.youtube.com/watch?v=EvXRMkelTu8) などがある。民主党では、ロムニーが歌う「America The Beautiful」をバックグラウンドにロムニーの投資会社 Bain Capital が買収した数々の会社で仕事が海外に流れていったことを批判するもの (http://www.youtube.com/watch?v=Ud3mMj0AZZk)、去年の年収が20億円であるロムニーの払った税金の税率が14%と中流家庭より大幅に低く、おまけに財産を海外の口座に移すことで税金逃れをしていることへの批判 (http://www.youtube.com/watch?v=uMo5pykT4uw)、2008年の大統領選で中道派だったために共和党の候補者として選ばれなかったロムニーが今年は徹底的な右派に変わっていることを揶揄したもの (http://www.youtube.com/watch?v=z-z-U57BaSc) などがある。

そしてこれは大統領選のみではない。マサチューセッツ州では2年前に、40年以上にわたってテッド・ケネディがつとめていた上院議員の議席の補選で、現職の州司法長官のマーサ・コークリーを破って当選した共和党のスコット・ブラウンが、オバマ政権で消費者保護局を創立したハーバード大学法学院の教授であるエリザベス・ウォーレンと議席を争っている。上院で圧倒多数をとれていない民主党にとって、ひとつでも議席を増やすことは切実な目標であり、一貫して圧倒的な民主党の州であるマサチューセッツの上院議員選は全国的にも大変な注目を集めている。スコット・ブラウン陣営には共和党から大量の資金が流れ込み、前回と同様、ジャンパーを着て緑色のピックアップトラックに乗ったブラウンが「わたしはみなさんと同じ庶民です」と語りかける一連の広告のほかに、エリザベス・ウォーレンに対する攻撃コマーシャルが次から次へと放映されている。そして、ウォーレン陣営はその攻撃に対するコマーシャルを流すことに追われ、せっかくのウォーレンの政治姿勢や信念が伝わってこない。ブラウン陣営の攻撃コマーシャルとしては、ウォーレンが自分はアメリカ・インディアンの血を引いているマイノリティだと職場で登記することによって今の地位についたと暗示するもの (http://www.youtube.com/watch?v=QNY4HL81oIU)があり、それに対してウォーレン側も即座にそれを否定するコマーシャルを流している (http://www.youtube.com/watch?v=uFHNGj62RdE)。中流家庭の味方と言いながら実は最大手の保険会社の顧問としてアスベストの被害者への支払いを制限したというブラウン側の攻撃 (http://www.youtube.com/watch?v=MaLuDk8h-Wkコマーシャル自体ははネットで探しても見つからず、これはブラウンの記者会見です、すみません) に対してウォーレン側も激しい口調のコマーシャル (http://www.youtube.com/watch?v=eUDWjSNyTLI) を流している。

大統領選にしても、上院議員選にしても、コマーシャルだけでなく、ディベートでもこうした攻撃が行われて、実際に政策を議論する時間がない。こんなんで、選挙民は腹がたたないのだろうか。テレビをつけるとさまざまな攻撃コマーシャルが流れる日々がこれからまだ2週間以上も続く。これだけの数のコマーシャルの制作や放映にかけられる費用を全部集めたら、この不景気の時代にさぞかし大きなことができるだろうにと思う。ほんとうにうんざりしてしまう。

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