ボストン通信ブログ

サンタクロース・トラッキング

久しぶりに本屋に行ったら、山積みになって置かれていた。Elf on the Shelfは2-3年前からクリスマスの定番になったようだ。物語の本といっしょにサンタクロースのお手伝いをするエルフの人形がついてくる。エルフは子供たちの言動を観察して、毎晩サンタクロースに報告するのだと親は子供たちに言い聞かせ、毎日その位置を変える。さわるとエルフの魔法がなくなってしまうとも言い聞かす。クリスマスが近づいて興奮状態の子供たちも「あ、エルフさんが見てるよ」というと言うことを聞くので、大変な人気らしい。

もう10年近く前のこと、クリスマスイブ、いつものようにホストファミリーのセブンフィッシュ・ディナーに集まった時、娘のボーイフレンドが北米航空宇宙防衛司令部のサンタクロース・トラッキングについて教えてくれた。じゃあ電話番号を調べて、今サンタがどこにいるのか聞いてみようということになった。ただ、どこが主催しているのか、その機関の名前が彼は思い出せなかった。そこで電話番号案内に電話したのだ。当時、サンタクロース・トラッキングはあまり知られておらず、説明してもなかなかわかってもらえない。挙句のはてに、番号案内の人は彼が酔っぱらいだと思ったらしい。担当者の後ろで何人かがいっしょに聞いているのがわかった。必死で説明すればするほどまわりの笑い声が大きくなって、本人は「ぼくは決して酔っぱらってるんじゃない」と何度もいったけど信じてもらえず、わからずじまいだった。それから数年の間は、みんなでサンタの位置をインターネット (http://www.noradsanta.org/en) で確認した。そのころ、まだこの家には小さい子供はいなかったのだけれど、大の大人がみんなしてイブの夜、「あ、日本はもう終わっちゃってるよ」などと何度も確認していたのだ。

わたしは10歳までサンタクロースを信じていた。家には風呂場の直径15センチほどの煙突しかなかったのに、サンタクロースは魔法だから小さい煙突でも入ってこられるのだと思っていた。ところが2歳半下の弟は7歳になるかならないかの時点でサンタクロースなんていないと気付いていていたらしい。気づいていたのに、まだ信じている姉に何も言わなかったのだと思うと、情けなくてため息が出る (小学校に入るか入らないかの弟に「だましがいのない奴」とも言われるきょうだい関係だった)。そういうこともあって、10歳になってもサンタクロースを信じていたというのはかなり恥ずかしいことだと思っていたら、けっこう例外的でもないらしい話を聞いた。イギリスの甥も10歳になってもまだサンタクロースを信じていた。これでは学校や公園で他の子にいじめられるかもしれないと心配した母親がある日「あのね、サンタクロースなんだけどね」と話し始めたら、甥は「えっ、サンタクロース、病気なの?死んじゃったりしないよね?」と泣きそうになった。そこで義妹は「うん。病気だったんだけど、よくなったから今年も来てくれるって」と話を切り上げ、結局甥は11歳まで信じていたらしい。友達の息子は10歳ごろ「サンタクロースなんていないよね」と言い出したところ、テレビのニュースで「今サンタクロースはどこここにいます」というのを聞いて、ニュースで言うんだから事実に違いないと思いなおしたらしい。「サンタクロースを信じないなんて言っちゃったから、今年は何にももらえないかなあ」と心配していたと友達が笑っていた。

今年もホストファミリーのお母さんから5時半にサンタクロースが来るから、その前にうちに来てねとメールが届いた。ご近所の有志が務めてくれるもので、この家にくるサンタクロースは細身でおなかの詰め綿もしていない。真っ白な髪もヒゲも一目で偽物だとわかるのだけれど、6歳の時点で、孫は完全に信じていた。いつわかってしまうかなあ、自分が気づいた時点で4歳下の妹に言ってしまうのかなあと今から少しどきどきしている。

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