ボストン通信ブログ

お寿司が食べたいの

日本食レストラン

ときどきどうしてもお寿司が食べたくなる。仕事で帰りが遅くなって、食事をして帰ろうということになったとき、まずは「ああ、おそばかラーメンが食べたい」と思う。だけどおそばもラーメンも出す店は近くにない。疲れている時にハンバーガー、ステーキ、ピザ、サンドイッチから選択するのはつらい。せめてあっさりとお寿司でもと思う。ボストンから車で45分のこの街では、お寿司を食べたいと言ってもすぐ行けるところは限られている。それでもおなかがすいていると、どうしても近所ですませたくなる。こうして、絶対に日本人の経営ではないとメニューを一目見た瞬間にわかるお店でお寿司を注文して、「だからお寿司はちゃんとしたお店でたのめって言ってるのに。なんでこう毎回だまされるんだろうね」と夫に笑われるはめになる。

キャタピラー巻

主要高速道路沿いにあって、IT関連企業で働く若い家族が多く住むこの街には「日本食レストラン」が2軒ある。お寿司はお米を固めてあるわけだし、天ぷらだってカロリーは高いのだけれど、アメリカ人の大半が日本食は全部健康的だと信じている。だから「日本食」レストランは人気が高い。この街の「日本食レストラン」は2軒とも日本人の経営ではない (と思う)。アメリカのお寿司メニューは大半が巻きもので占められている。おしんこ巻やハマきゅう、鉄火巻やかっぱ巻きといった普通の巻きものもあるけれど、よく知られているカリフォルニア巻をはじめ、キャタピラー巻 (うなぎ、きゅうり、アボカド)、スパイダー巻 (ソフトシェル・クラブの天ぷら)、フィラデルフィア巻(スモークサーモン、キュウリ、アボカド、クリームチーズ) など、レストランが競ってオリジナルの巻きものを作っている。こういうのはそれなりに悪くないのだけれど、なんだかおしゃれなバーのような、紅花ふうの鉄板やきもある近所のレストランで、お寿司をまるごと天ぷらにしてあまいソースをたっぷりかけて出された。夫ですら「これはないよなあ」と言った。

食べ放題!

ハイエンドなショッピングモールがあるNatickという街には、29.99ドルで食べ放題の中華・日本食のお店がある。コンサートホールほどの大きさのお店に、開店する前から行列ができる。4つあるカウンターはそれぞれ中華各種、シュリンプカクテルやカニに生ガキといったアペタイザーと、ひじきの煮つけなど日本風の野菜料理、お寿司、デザートコーナーになっている。お寿司を作るのは中南米系と思われる人たちで、ごはんは型を使っていっぺんに大量に握って (?) いるし、ネタにしたって小さ目ではあるけれども、いちおういろんなにぎりがある。ウニやイクラの軍艦巻きも以前はどんと置いてあったのだけれど、知らずにいっぱい取っていって残してしまう人が多いため (お寿司が好きだと言うアメリカ人の中でもウニが好きだと言う人は一人しか知らない)、最近は頼まないと作ってくれない。そこでウニは食べない夫にも頼んでもらって、わたしは二人分ウニを食べる。

今年は新年早々友人といっしょに新鮮なシーフードで知られるレストランに行った。ここにも寿司カウンターがあって、以前マグロとホタテ貝をたのんだらけっこうおいしかった。夫に「お寿司はアペタイザー程度にしたら」と言われたのに、ちらし寿司をたのんでしまった。寿司カウンターにいる板前風の人が東洋人だから、少し安心したのだ。でも出てきたちらし寿司は、すし飯の上にお刺身と生姜とわさびを乗っけただけだった。厚焼き玉子やイカなど、ちらし寿司の材料はちゃんとそろっているのに。ご飯の上にお刺身をのせただけではちらし寿司とは呼べず、おいしくもないのだと初めて悟った。情けなかった。「だから言っただろ」と言われたら悔しいとは思ったけれど、「やっぱりちゃんとした日本人のお店でないとダメだった」と夫に白状した。

この「わかっているんだけど、ついつい」というのはスーパーマーケットでも出てしまう。最近はふつうのスーパーでも折詰のお寿司を売っている。にぎりは買わないとしても巻きものなら大丈夫かもと買ってしまって後悔する。オルガニックのスーパーだと玄米のお寿司というのがあって、よせばいいのにこれを試したことがあった。玄米は健康にいいかもしれないけれど、お寿司にはまったく向いていない。冷静に考えればわかることなのに、お寿司を前にするとわからなくなるのが情けない。

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