ボストン通信ブログ

美容院

アメリカの一般的な美容院

高校生のころから日本にいる間はずっと、同じ美容師さんに4年も5年もお世話になって、美容師さんを探すのに苦労したことがなかった。こちらに来てもしばらくは同じで、もっとボストンの近くに住んでいたころは、分不相応の高めの美容院ではあったけれども、お気に入りの美容師さんがいた (イケメンでゲイで猛烈におもしろい美容師さんは高級住宅地のおばさまがたのアイドルだった)。今の家に引っ越してからは、以前の同僚に教わった美容師さんに7年間お世話になった。髪型を変えることはほとんどないので、「今日は何インチ切りますか?」という質問に答えるだけでよかった。ところが、その美容師さんが遠くに引っ越してからこのかた、「これ」という人が見つからない状態がもう7年も続いている。

こんな郊外の、大してすてきでもない外観の美容院でもカットは35ドルほどする。ちょっとこじゃれた、エステもやっているところへ行くと45ドルくらい。チップを入れると42ドルから54ドルくらい払うことになる。シャンプーをする人が別の場合は、その人にも3-5ドル。このあたりの美容院は、来た人から順番に切ってもらうお安い20ドルのお店からちょっとお高い45ドルのお店まで、6-7店試してみた。ところが、高いお店に行ってもカットの技術力は高くない。翌日シャンプーすると、一筋すっと長いままのところがあったりする。右側だけなぜかはねたりする。細いねこ毛なので、「レイヤーをいっぱい入れて、ボリュームを出してください」とお願いしても、しあげのブローでてっぺんをぺたんこにされる。ホストファミリーの娘さんの結婚式に出席するためにブローしてもらったときも、てっぺんペタンコにされて焦った。

一度だけ「これはうまい」と思う人をみつけたことがあったけれども、オーナーからよほどプレッシャーをかけられているらしく、「わたしはこのあたりに来て間もなくてあんまり知っている人もいないので、ぜひぜひお友達を紹介してください」と懇願され、帰りに「都合が悪くなったらお電話一本で変えますからね」とオーナーにむりやり次の予約を入れられ、ついでにシャンプー・リンスまで買ってしまい、それきり行かなかった。それからチェーン店でこれならまあまあかなという美容師さんを見つけたけれど、二人つづけて3回目に電話したときにはもういなかった。二人目は、まだ20歳で美容学校を出たばかりの子だったのだけれど、海軍に入ったとかでいなくなっていた。

すでに手持ちのお客さんがないと美容院はなかなか雇ってくれないらしく、始めたばかりの美容師さんは大型チェーン店くらいしか選択がない。雇ってもらっても、自分が稼ぐ分の半分をオーナーに支払うなどといった制度があって大変らしく、なかなか長続きしないらしい。

イギリスでもすごい経験をしたことがある。義理の弟の結婚式のとき、義母が私の分も美容院の予約をしてくれた。結婚式の当日、義母といっしょに美容院に一歩踏み入れてすぐ、「これはまずい」と思った。70歳以上のお客さんがカーラーをまいて、お釜ドライヤーにずらりと入っている。「ブローだけでお願いします」と、だいたいこんな感じという写真もちゃんと持って行って見せたのだけれど、「ふーん」と写真も見ない。ブローだけと言ったのに、思い切りスプレーをかけて髪をさかだてている。「あのー、ブローだけでいいんですけど」と言っても聞いてくれない。40分か50分後、わたは髪型だけジャクリーン・ケネディになっていた。さわってみると、ヘルメットのような感触。その、まったくお客の意向を無視したヘアスタイルに45ポンドとられた。日本円にしたら7000円近い。義父母の家に着替えに帰ると「なんだ、それは」と夫に大笑いされた。あの日の写真は今でも見たくない。夜、シャンプーでヘルメットをとかすのがどんなに大変だったか。

先日も近所でネットで評判のいい美容院を試してみたのだけれど、すそが広がらないようにカットしてくださいと言ったら、すそをバリカンですいていた。バリカンを使われたのは (見たのもだけど)、小さい時に数度、床屋さんでワカメちゃんカットにされて以来だった。

もうほんとうに困ってしまい、この間スーパーですてきなカットの女性を見かけて、ついに声をかけてしまった。「あのー、すみません、どこの美容院に行っていらっしゃるのか、差支えなければ教えていただけませんか?」出口に向かって急いでいるところであったにも関わらず、彼女は「あら、ちょうど彼女の名刺持ってるからあげるわ」とバッグから美容師さんの名刺を出してくれた。「昨日行ったばかりなの」という彼女に「ほんとによくお似合い」と言って名刺をもらって帰ってきた。この美容院がだめだったら、いよいよ日本人の友達が複数通っている、車で1時間の日本人美容師さんしか選択肢がなくなってしまう。困ったなあ。

このサイトは翻訳学校サン・フレア アカデミーの運営です。

PAGETOP