ボストン通信ブログ

Market Basketの奇跡

先月お報せした Market Basket のストライキのその後。8月28日に経営陣がようやく元CEOの買収申し入れを受け入れ、6週間にわたる従業員ストライキと不買運動が終わった。プラカードですっかりおなじみになったArthur T. (アーティ) が従業員の前で感謝のスピーチを行い、従業員はすぐさま職場に復帰した。企業の力がどんどん強くなって、従業員や消費者の声の影響が薄くなってしまった今、これは驚異的な結果として大きなニュースになった。

さっそく翌日行ってみると、品ぞろえも思ったよりいい状態で、お客さんも結構入っていた。入り口でお客さんを笑顔で迎えていた91歳の Sal に大きなハグをもらった。買い物を終えてレジに行ってみると、以前しめじやエリンギを見て「ずっと思ってたんだけど、それってどうやって食べるの?」と聞いてくれたおばさんがいた。「So happy to be back」と言ったら、「Thanks to you all」と涙ぐんでいた。本当に久々の Feel Good の出来事だった。その1週間後はまだ客足が元通りとは言えない状態で少し心配だったけれど、先週末には駐車場がほとんど満杯状態でホッとしたのだ。

お店の中も足らないものはひとつもなかった。買い物をすませてレジが終わるのを待っていると、レジのおねえさんがハムのパッケージを確認している。「中身がもれてる?」と聞くと、「なんか液体が手についた気がしたから」と全体を確認してくれた。支払いを終えて袋いっぱいに詰められた買い物を受け取ろうとしたら、「卵が一番上で、そのうえにパンを乗せたからね」とおじさんに言われた。そうなのだ、これがこの店の強さなのだ。小さいことなんだけど、他のスーパーでは絶対ない。個人所有のチェーン店というのがいつまで続くかはわからないけど、こういう貴重な存在はなくなってほしくないなあと思った。こうしてよくわからないスーパーで買い物にやたら時間がかかる生活は終わったのだ。

話題は変わるのだけれど、今年は中間選挙の年。11月の選挙を前に、州知事や上院議員選が熱気を帯びてきている。テッド・ケネディの死去に際した上院議員選挙で、現職マサチューセッツ州最高検事を破って当選するも、その次の上院議員選でハーバード大学法大学院教授のエリザベス・ウォーレンに敗退したスコット・ブラウンは、うちの近所にあった自宅を去年売却して、ニューハンプシャー州に引っ越した。圧倒的に民主党が強いマサチューセッツを離れて、「Live Free or Die Hard」というスローガンを持ち、共和党と民主党がせめぎ合うので有名なニューハンプシャーに引っ越したのは明らかに選挙に出るという意思表示だと言われていたのだが、案の定、上院議員選に「地元のあなたの候補」として立候補した。数年前から家を持っていたからと言って、昨年引っ越してきて「地元」はないんじゃないかと思ったのだけれど、共和党は大物政治家を次々と応援演説に送り出した。その成果か、スコット・ブラウンは先週ニューハンプシャー州の上院議員選に共和党の候補として選ばれた。相変わらずジャンパーを着て、例の緑色のピックアップトラックの横に立っているテレビ広告は、マサチューセッツでやったのとまったく同じ。これで選ばれてしまうなんて、なんて簡単なんだろうと驚いていたのだが、アンケート結果を見ると、現職の民主党候補と互角となっている。奥さんがニュースのレポーターで、娘さんが「アメリカン・アイドル」でベスト8に勝ち進んだ多少の有名人で、本人もイケメンであるからか、この人の人気はなかなかあなどれない。けれど、政治家なんて誰も大して変りないと思い始めたわたしも、スコット・ブラウンにはどうしても抵抗がある。

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