ボストン通信ブログ

わたしの香り

GivanchyYsatis

こちらに来たばかりのころ知り合った友達が、いつもつけている香りがあった。ジバンシーのイサティスは、大きな神秘的な目と長いまつげがエキゾチックで、同時にとても知的な彼女にぴったりな感じがした。それは、それから長い間、わたしの中では彼女の香りだった。義理の母もイサティスを長い間つけている。20代だった友達と、70代だった義理の母。こんなに年代の違う女性にぴったりきてしまうのはすごいと思う。

PaulSebastian

フランスで生まれて育った義理の母は、飛行機に乗ると風邪などひろわないようにと鼻の中にオードトワレを塗るし、消毒もアルコールでなく、オードトワレを使う。そのせいか、夫も二人の弟もみんな毎日香りを身につけている。髪型を何十年も変えない夫は、ここ10年以上、ポール・セバスチャンをつけている。デパートである日試して気に入って以来、ずっとそうだ。これが最近品薄になってきたので、そろそろほかのものを探さなくてはいけないことになりそうではあるけれど。

LanvinArpege

成人のお祝いに従姉夫婦からランバンのアルぺージュをもらったのが、わたしの初めての香りだった。ほんとに大人になった気がしてとてもうれしかった。「ありがとう」という私に、従姉の旦那さんは「ほんとは香水のお風呂に入れるくらいプレゼントしたかったんだけどね」って笑った。それからわたしは長い間、香りに夢中になっていた。就職したころから、男性的な香りに惹かれて、4711をはじめ、パコ・ラバンヌが大好きになった。アメリカに来たばかりのころは、当時はやっていた少し粉っぽくあまーいコティのエクスクラメーションにもかぶれた。その後、ラガーフェルドのKLが大のお気に入りになって、何年もの間愛用した。

BurberryBrit

この10年ほど、ほとんど香りを身に着けなくなっていた。そんなある日、フロリダにあるちょっとおしゃれな小物がたくさん置いてあるお店で、すてきな香りを見つけた。カリフォルニアの小さな会社が作っていて、限られたお店でしか手に入らないというそのオーデコロンは、即座に買うには少し高かった。迷った挙句、明日また買いに来ようと、その日はホテルに戻った。次の日、空港へ向かう途中に寄るつもりだったのが、時間がなくてそのお店を素通りした。だから名前も覚えていなかった。それからまた、KLを探してみた。ところがこれがもう生産されていないらしいとわかったのだ。

GucciGuilty

それからKLに似た香りというのをネットで調べて、クロエだのオピウムだの、バレンシアガのパリだの、いろいろなお店で何度も試してみた。ほかの香りもいくつも試してみたけれど、どうももうひとつしっくりこない。結局、消去法でパリを選んだけれども、やっぱり違うのだ。そして今は夫がクリスマスにもらったグッチのギルティや、クレーンゲームに妙に強い夫が名古屋で入手したバーバリのブリットをたまに借りている。でもこれは一時しのぎなのだ。「これは」と思うものや人に出会うことは、そんなにないのだとあらためて気が付いた。

BalenciagaParis

ということで、これからしばらくは、もしかしたらかなり長い間、香水をみたらとりあえず試してみることにしよう。いつか、「!」という香りがいつかまた見つかるかもしれない。

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