ボストン通信ブログ

The Life-Changing Magic of Tidying Up

近藤麻理恵の「人生がときめく片付けの魔法」がアメリカで何か月もベストセラーリストに入っていることは日本でも報道されている通りだ。けっこうテレビも見るし、ネットでもニュースをチェックするほうなのだけれど、この本の話を見かけたことがない。いったいどんな人たちの間で人気があるんだろう。 こういった本でベストセラーに入るのは、PBS (アメリカの公共放送局) で紹介されたものが多い。2時間枠で観客の前で著者が自説を展開するというものだ。ドクター・ウィリアム・ディビスの「Wheat Belly Diet」やドクター・ダニエル・アーメンのADD、ADHD、アルツハイマーに関する著書もすべてそうだ。コンマリが PBS に出てくることはないので、そういう筋でもない。昼間のトークショーは見ないのでそういうところで紹介されているのかもしれない。

アメリカの家は大きくて、このあたりではそのほとんどに地下室がある。車が2台入るガレージも普通だ。屋根裏にあがるハシゴもある。そういったところにものすごい量のモノが収納されている家庭がほとんどだと思う。日本から持ってきたものがほとんど捨てられないでいるわたしと、「またどこかで使えるかもしれない」と壊れた電気機器や道具をしまいこむ夫のわが家は、地下室とガレージに思いきりたまりこんでいる状態だ。建設現場でよく見られる大型ごみ容器を簡単に借りられるサービスがあって、幅2.5メートル、長さ6メートル、高さ1.2メートルの容器がドライブウェイに配達され、5日後に回収に来る。その間、1トンまで捨てることができる。費用はだいたい300ドルほど。デッキを自分たちで作った際にこれを借りて、ついでに地下室にしまいこんであったものをいっぱい捨てたことが一度あるけれど、また元のもくあみ。地下にもガレージにも棚をたくさん作ったことが、ため込みにさらに拍車をかけている。

言い訳をするわけではないけれど、ここ2年ほどの間に家を売った日本人の友達が二人とも一番大変だったのがものを捨てることだったと言う。まず洋服や食器や飾り物など、売れそうなものをヤードセールで売り、家具など寄付できるものはすべて寄付し、あとに残ったものを捨てるのだけれど、それがものすごい量でとにかく大変だったという。小さいころから大きな家に住んで、ものがたまっている状態になれているアメリカ人でなくてもこれだ。だから普通のアメリカ人の地下室やガレージの状態は簡単に予想できる。そのアメリカ人が本当にコンマリの片づけをするんだろうか。

そこで、ひとつだけ思いついたことがあった。今アメリカでは極小住宅が脚光をあびていて、「Tiny House Nation」という人気番組まであるのだ。20 – 45平方メートルの家を選ぶ理由は大学院に行くための費用を捻出するとかいろいろだけれど、リビングルームの上にベッドルームを設けたり、狭いキッチンにもちゃんとオーブンや食洗機、洗濯機を収めたり、トイレとシャワーが狭い一室で両方入っていたりと、びっくりの工夫でいっぱいだ。こういった家に住もうという人たちが最初に立ち向かうチャレンジが持ち物で、みかん箱ほどの大きさの箱を二つほどわたされて、洋服などの持ち物はこれに収まるまで処分するように言われるのだ。春・夏ものも秋・冬ものもすべておさまっているウォークイン・クローゼットから、みかん箱二つに減らすのはどんなに大変なことだろう。今では極小住宅専門の家さがし番組まで出てきていて、Tiny House の動きは勢いを増している。これかなあと少し思う。

新年にあたり、一度にいっぱい捨てようとすると無理なので、毎日ひとつずつ捨てていきましょうというアドバイスを読んでなるほどと思った。それを2-3週間は続けたのだけれど、だんだん捨てられるものを見つけるのが難しくなって断念した。ごみの選別にそれほどうるさくないアメリカでもこうだ。わたしはまた当分、片付けはできそうにない。

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