パブリッシャーズ・ウィークリー ノンフィクションBEST10

パブリッシャーズ・ウィークリー(http://www.publishersweekly.com/)


2015年11月23日付ベストテン

1.Fallout 4 Vault Dweller's Survival Guide: Prima Official Game Guide, Prima Games, David Hodgson, Nick von Esmarch

「Fallout 4」ゲームを勝ち抜くための情報がすべて詰まったガイドです。 荒野を安全に旅する方法 – 地上を旅するための地図と詳細な情報で境界からさまよい出ないようにサポートします。サバイバルのための道具 – Vault の外に出る場合に有用な、戦いに使える武器の略図と情報。外部には出ないよう、ここに再度忠告します。工法と調達 – Vault 11 を出る場合、身の回りのものを有効に使うことがサバイバルの成否を分けます。武器やテクノロジーを造ったり修理するための略図と情報が含まれます。危険に際した場合のアドバイス – どんなに身の危険を感じてもVaultを出ることは勧められません。Vault 11の外にひそむ危険について科学者たちがまとめたデータをじっくりと検討してください。インタラクティブな地図などのeGuide – インタラクティブな地図と携帯でも簡単に使える多機能なeGuide。あらゆるものの所在地、特記するべき場所、集めるべきものなど、カラーで表記されています。

2.The Pioneer Woman Cooks: Dinnertime Comfort Classics, Freezer Food, 16-Minute Meals, and Other Delicious Ways to Solve Supper!, Ree Drummond

朝食やランチを軽視するわけではありませんが、やっぱり夕食は一番大切な食事です。夫や子供、友人や両親が集まってその日の出来事を話しながら楽しむ料理こそ、わたしたちをほっとさせ、栄養を与え、明日に備えて力をくれるのです。「The Pioneer Woman Cooks: Dinnertime」は一品サラダからスープ、キャセロール、ほっとする昔ながらの料理まで、16分でできるレシピ、冷凍できるレシピでいっぱいです。パルメジャンクルトン入りトマトスープ、スパイシーチキンのサラダ、ベークトパスタ、エビのスキャンピなどおなじみのレシピ、カシュ―チキン、フレンチディップのサンドイッチ、チキンマサラ、ビーフストロガノフなどの新しいレシピ、トマトタルト、チキンのマスタードクリームソース、ポークチョップなどなど、どれにしようか迷ってしまう品揃えです。ステップごとの写真もいっぱい、当て推量の必要もありません。毎日の大事な夕食にぜひ役立ててください。

3.Killing Reagan: The Violent Assault That Changed a Presidency, Bill O'Reilly, Martin Dugard

ベストセラーを次々とうみだすビル・オライリーとマーティン・ダガードが、ロナルド・レーガンが権力のトップに上るまでの道のりと彼を倒そうとした謀略を鮮明に描きます。大統領就任のわずか2か月後に。レーガンは心臓から数センチのところに弾丸を受け、死に直面しました。その後の回復は驚異的なものと言われていますが、実はその裏にはレーガンの大変な努力があったのです。世界でもっとも大きなパワーを持つ役割を遂行しながらトラウマに満ちた体験から100パーセント立ち直ることは可能だったのでしょうか。数々の「Killing」シリーズと同様に読者の心をつかんで離さない筆致で、ハリウッドでの成功とつまずき、カリフォルニア州知事時代、そしてアメリカの黄金期と鉄のカーテン崩壊という時代をホワイトハウスで過ごした様子が鮮明に描かれます。そんな中、レーガン大統領のもっとも勇敢な行動はジョン・ヒンクリー・ジュニアによる襲撃だったとされます。数々の出来事の裏側と、暴力に満ちた時代を生きた偉大な人物像が鮮明に描かれています。

4.Thomas Jefferson and the Tripoli Pirates: The Forgotten War That Changed American History, Brian Kilmeade, Don Yaeger

アメリカ独立後、イスラム教の4か国の脅威にさらされながらもそれに対して立ち上がった、今まで語られることのなかった物語です。1801年にトーマス・ジェファーソンが大統領に選出された時、アメリカは危機に直面していました。独立戦争で大きな出費を強いられたアメリカは、その経済を即刻立て直す必要がありました。ところがアメリカの商船が北アフリカのバーバリ沿岸で海賊につかまり、巨額の身代金を要求されるという事件が相次いだのです。外交官、国務長官として15年のキャリアを持つジェファーソンはトリポリ、チュニス、アルジェー、モロッコなどのバーバリ諸州と友好関係を結ぼうとします。しかし、非イスラム教徒からの略奪や奴隷化をよしとする宗教の信者と交渉することは不可能だと気づきます。バーバリ諸州は西洋諸国からお金を搾取し続けました。ジェファーソンは軍艦を送り、トリポリを封鎖し、バーバリ戦争がこうして始まりました。それはまたアメリカの軍事大国としての始まりでもありました。「George Washington’s Secret Six」のベストセラーを持つキルミードとイエガ―が、忘れられた歴史をドラマチックな物語に書きあげました。海賊船に大砲で猛攻撃をかけたアンドリュー・ステレット大尉、海賊に乗っ取られたアメリカ商船を破壊する夜襲をかけたスティーブン・デカタ―大尉、エジプトからデメ港まで500マイル進軍して海兵隊が史上初めてアメリカの国旗を立てる勝利に導いたウィリアム・イートン大将など、数々の物語が紹介されます。「モンテスマからトリポリ海岸まで、空で、陸で、そして海で祖国のために戦う」という海兵隊の賛歌の元になった、忘れ去られた物語がここに改めて語られます。

5.Destiny and Power: The American Odyssey of George Herbert Walker Bush, Jon Meacham

ピュリッツアー賞を受賞したジョン・ミーチャムがジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュの生涯をたどります。ブッシュ元大統領とバーバラ夫人の日記と家族のインタビューをもとに、アメリカの激動の時代をリードした、私生活をめったに語ることのなかった大統領の思いがけない姿が明らかにされます。大統領執務室からキャンプ・デービッド、ホワイトハウスの書斎から大統領専用機エアフォース・ワン、ベルリンの壁の倒壊から最初の湾岸戦争、共産主義の終焉へと、ブッシュ大統領のそのときどきの思いや決断、感情が描写されます。高潔でありながら欠点もある、アメリカそのもののような一人の人間の物語です。愛情に満ちた特権階級の厳しい家庭に生まれたブッシュは18歳で海軍に入隊し、20歳のときに太平洋の戦闘で銃撃を受けます。若くして結婚し、子供を持ち、ウォール街で働くようにという家族の意志に反して冒険ともいえるテキサスの石油産業で成功をおさめます。そして30年の間に共和党の地区議長から下院議員、国連大使、共和党全国委員会長、中国への特命使節、CIA長官、レーガン大統領の副大統領、そしてアメリカ大統領へと上りつめたのです。そしてジョン・アダムス以来初めて、息子も大統領を務めました。日記だけでなく、ブッシュ元大統領自ら語った内容に基づいて、リチャード・ニクソン、ナンシー・レーガン、毛沢東、ミハイル・ゴルバチョフ、ディック・チェイニー、ドナルド・ラムズフェルド、ヘンリー・キッシンジャー、ビル・クリントンなど、そうそうたる面々に対するブッシュ元大統領の意見も明らかにされます。アメリカ政治における中道主義の終わりを象徴する共和党元大統領と、共和党内での右派の台頭に新しい光が当てられます。運命と義務に導かれ、国を第一に考えたブッシュの生涯が見事に描かれています。

6.Troublemaker: Surviving Hollywood and Scientology, Leah Remini, Rebecca Paley

いつもおもったことをそのまま口に出し、自分の考えをはっきり述べ、ときには波風を立てたこともあるリア・レミニは、生まれ育ったブルックリンを出で、ハリウッドで成功をおさめました。そんなレミニは2013年にサイエントロジーと袖をわかつと公言しました。率直でおかしく、心を打つ回想録で「King of Queens」のスターが教会を出ると公言したことで始まった数々の問題や物議をかもす教会の教えについて語ります。母親と姉が信者であったことから子供のころサイエントロジーに入信したレミニは、女優になってサイエントロジーでも活躍したいという夢をもってロスアンジェルスに移ります。女優として成功し、サイエントロジーでも最も有名な信者トム・クルーズと同様の高い地位までのぼり、2006年のトム・クルーズとケィティ・ホームズの結婚式にも招かれました。しかし、教会のやり方に疑問の声を上げ始めたことでレミニに対する教会の攻撃が始まりました。レミニを教会を脅威にさらす「抑圧対象者」だとし、彼女の家族を含む、信者全員にレミニと永遠に縁を切ることが通達されました。そんな状況から自分自身と家族の感情的、宗教的な自由を勝ち取るまでの道のりが大胆に、隠し立てなく語られます。結果を恐れることなく正直に生きることの真実を見せてくれる一冊です。

7.Guiness World Records (2016), Guiness World Records

毎年ベストセラーリストに登場するギネス・ワールドレコードが、何千もの新記録、始めて紹介される写真やびっくり仰天のトリビア満載で帰ってきました。才能にあふれるペットや超人類の業績、巨大な事物や過激な車など、新しいカテゴリーも含め、新記録がいっぱいです。新しい記録を立てたのは、滝、双子、気球、アプリ、稲妻、漫画、考古学、ドローン、海賊などなど。記録破りの世界的な権威がお送りするびっくり記録を今年もお楽しみください。

8.Crippled America: How to Make America Great Again, Donald Trump

アメリカをアメリカ市民の手に取り戻す時が来ました。何十年もの間、政治家が行ってきたように、口先だけで行動を伴わず、法律はすべて献金する企業のためにつくられる、そんなやり方はわたしにはできません。献金でわたしを動かすことはできません。アメリカを再び豊かで偉大な国にし、友好国の尊敬を取り戻し、敵国に恐れられる強国に戻したいのです。アメリカの人々は今の政治にうんざりしています。わたしはここにアメリカを偉大な国に戻すための具体的な方法を説明します。傾いた経済を立て直し、医師も患者も無視して経費ばかり高い健康保険制度を効果的なものに書き換え、戦争に勝てる軍隊に立て直して退役軍人のための制度を整え、将来の経済を支える子供たちが満足な教育を受けられるように教育制度を改正し、違法移民を追いだして海外で生産を行っている企業がアメリカに生産基盤を戻すよう圧力をかけることで、それが可能になると信じます。そしてそれは厳しい道のりではありません。真実を語ることができる人材をトップに立てることが今こそ必要なのです。そしてそんな人材は現在のワシントンには存在しないとわたしは言い切ります。

9.The Witches: Salem 1692, Stacy Schiff

「クレオパトラ」でピューリッツアー賞を受賞したシフが、セーラムの魔女裁判に挑みます。詳細に富み、パンチのきいた語り口ですが、ニュアンスに多少かける点が気になります。1692年にボストンの24 km北の街で起こった出来事が現在形でつづられ、その真っただ中にいるような感覚に襲われます。しかし、これは同時に場所と時間の混乱を起こし、シフの創造力あふれる描写と事実の堺をみきわめることを困難にしてもいます。セーラムという街の薄気味悪い魔術的な雰囲気をありありと感じさせる描写と裁判で実際に起こった事実の落差が大きすぎ、読んでいて違和感があります。事件の背景や事実に焦点をあてているのはよくわかりますが、その頃の文化や裁判の歴史的、社会的な分析に欠け、それをおとぎ話としてとらえるというアプローチには説得力がありません。有名な出来事のノンフィクションとしてはどんどん読ませる力がありますが、すでに知られつくした内容をあえて取り上げているわりには、新しさに欠けると言わざるを得ません。

10.A More Perfect Union: What We the People Can Do to Reclaim Our Constitutional Liberties, Ben Carson

赤字になるような予算に賛成の投票をしたことはありません。税金を上げたこともありません。献金と引き換えにロビイストにあやつられたこともありません。建国の父たちは政治を仕事とするプロ集団など考えもしませんでした。リンカーンが言ったように「人民の人民による人民のための」合衆国をつくろうとしたのです。農民や小さな商売をする人々、肉体労働者、医者の誰もが声をあげ、政治に参加することができる体制を思い描いていたのです。それは憲法を理解することから始まります。脳外科手術を何千回も行った医師として、憲法を理解することは脳外科手術ほど難しくはないとわたしは言い切ることができます。憲法はごく普通の人々でも理解できるように、明確で簡潔な言葉で書かれています。一気に読め、ポケットに入れて持ち運べる長さになっているのです。その憲法をわざと誤って解釈したり弱体化したりする人々から守るために立ち上がろうと、呼びかけたいのです。憲法は歴史ではなく、今日のアメリカの生活そのものです。そしてそれを守ることはわたしたちの子孫を守ることそのものなのです。プリームブルが言うように、憲法は合衆国をさらに強く団結させるものです。わたしの目的は国民ひとりひとりの団結を強め、自由を謳歌できる社会を守りとおすことです。

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