TQE合格者インタビュー

【第85回TQE「ビジネス全般<中→日>」合格】
脇田直樹さん

吹田のアサヒビール工場にて。ギターはボール紙でできたなんちゃってギター

1. 自己紹介をお願いいたします

第85回TQE中国語(中日)・ビジネス全般に、4回目の挑戦で3級合格しました脇田直樹です。
 3年前に、材料の研究開発者として25年以上勤めた会社を早期退職し、2年前にTQE(英日)時事・新聞に合格して、現在は英日の翻訳や校正の仕事を少しずつやりながら勉強を続けています。

2. これまでの中国語学習歴を教えてください

最後に在籍した部署には15年ほど前、40歳代前半に転勤になりました。それ以前の部署では欧米の企業と関わることが多く、使用する外国語は英語だけでしたが、新たな部署はアジア市場をターゲットとしており上海に自社工場もあったため、中国語を学ぶことにしました。
 NHKのラジオ講座半年分を1年かけて勉強し、中国語検定3級合格まで行きましたが、ヒアリング能力を伸ばすことができず、準2級は挑戦せずに終わりました。その後は、仕事でネットの記事を斜め読みする等はしていましたが、TQE受験まではまとまった勉強はしていませんでした。

3. これまでの翻訳学習歴を教えてください

中国語に関しては、1年半前にTQEを受験して以降、勉強を再開しました。
 英語に関しては、十数年前に、行方昭夫氏や柴田耕太郎氏の本を読んで、英文解釈がまるでできていなかったことを思い知り、本を使って少しずつ勉強を始めました。意識して翻訳の勉強を始めたのは3年半前(会社を辞める半年前)で、通信教育で出版翻訳関係の講座を1年半受講しました。

4. 翻訳をしようと思ったきっかけを教えてください

会社生活の中で、研究開発に対する自分の考えと会社が目指す方向との間に大きな溝を感じ、定年を待たずに退社することを決めました。本業以外でそれなりに一所懸命やってきたことといえば外国語の勉強でしたし、翻訳であれば、年金をもらう年齢になっても続けられる可能性があると考えて、次の仕事として、フリーランスで翻訳者になる道に挑戦することにしました。

5. TQEを受験されたきっかけは何ですか?

評価が具体的な数字で提示され、3か月に一度(中国語は半年に一度)定期的に開催されるTQEは、自分の実力を把握するのに利用しやすいと考えました。英語のTQE(時事・新聞)受験と同じ時期に、他の翻訳会社のトライアルでも合格していますので、TQE 3級合格というのは、目標設定として適当だと感じています。
 ネットで受験できるシステムとしては「ほんやく検定」等もありますが、試験時間の制限などレベルが高く、すでに十分なキャリアがある翻訳者向けで初心者向けではありません。また、翻訳関係の某サイトの「定例トライアル」もありますが、出題傾向や採点において、担当講師の個人的な癖が強すぎる場合があるように感じました。

6. TQE合格のために苦労した点、悩んだ点はどういったことでしょうか

中国語の参考書はほとんどが会話中心で、書き言葉を扱っているものは多くありません。初めて中国語でTQEを受験した際は、書き言葉を扱った参考書があることすら知りませんでした。「苦労」ではありませんが、それが合格まで時間がかかった理由のひとつです。
 英語に関しては、サラリーマン時代、できるだけ日本語を介在させず、英語を聞いて英語で考え英語でしゃべることを意識し、実践していたため、翻訳に挑戦し始めの頃は、英語を日本語に変換すること自体を苦痛に感じましたが、中国語の場合は、そこまでの力がなかったので、かえってスムーズに入れました。

7. 苦労した点、悩んだ点はどのように解決されましたか

参考書等はよくAmazonで検索して探しますが、不思議と適当なタイミングでそれまで知らなかった参考書(新刊ではない)が「おすすめ」で新たに表示され、それを購入することで勉強を進めることができました。また、学習が進むにつれて何が足りなかったのかわかってきましたが、自分の成長に対する実感と、TQEを受験して返ってくる点数の伸びとがよく一致していましたので、4回かかりはしましたが、いつまでも合格できないのでは、といった不安を感じることはありませんでした。
 中国語の翻訳に関する講座やセミナーは数が限られていますが、サン・フレア アカデミーでは鴨志田先生のセミナーが年2回開催されています。受講料の数倍の交通費と時間をかけて、半日のセミナーに地方から出かけて行くというのは正直ハードルが高かったですが、これまでに2回受講して、それだけの価値はあったと感じています。直接教わるというのは、本を読むのとはやはり違います。

8. 今回合格された分野を受験するために参考になる書籍、資料、ウェブサイトなどはありますか

中国語の書き言葉の勉強には、なんといっても三潴正道氏の参考書・問題集がお勧めです。最近、初級者向けの本も出版されていますが、三潴氏の中・上級者向けの書籍を一通り勉強したら、TQE受験において文法面で困ることはないと思います。ただし、文法理解が中心で、日本語訳は不自然なところもあり、その点は注意が必要です。情報検索に関しては、検索のテクニックもあるとは思いますが、日ごろからニュースやネット等で、中国以外の国も含めて海外の情報を収集しておくのが大事だと思います。
 あと、中国語一本で来られた方に対しては、英語に関する翻訳関係の本に目を通されることもお勧めします。英語の翻訳のテクニックでも、中国語に適用できるものもあると思います。

9. これからの翻訳者としての計画を教えてください

対応可能分野を広げ、対応できる言語の数もさらに増やしていけたら、と考えています。  今後は中国語の翻訳の仕事も増えることを期待していますが、単純に足し算で数が増えるだけでなく、掛け算の効果もあると考えています。翻訳という仕事は対象が本当に幅広く、英語の翻訳でもネイティブの英語とは限りません。例えば中国人が書いた英語の翻訳の仕事もあり、そういう場合、中国語を理解できることはプラスになりますし、複数言語を理解できれば情報収集の面でも有利です。
 あるいは将来のことを考えると、AIがどんなに進歩しようと翻訳という仕事が完全になくなることはないと思いますが、社会状況や国際関係の変化に伴い、翻訳が必要とされる文書の種類・内容や、主流となる言語は常に変化し続けるだろうと思います。例えば10年後、主流の言語が変わらずに英語だったとしても、それは米英の英語ではなく、インドの英語である可能性は十分にあるかと思います。
 契約書など専門性が高い分野では大きな変化は生じないかもしれませんし、あるいは、英語に特化して英語を極めるのも当然選択肢のひとつだと思いますが、自分としては、対応できる分野と言語の種類を広げて変化に備え、息長くこの仕事を続けていければ、と考えています。

10. TQE合格を目指して勉強中の方々に、メッセージをお願いします

翻訳は、今持っているもの、取得した資格で食べていこうと思う人、高収入を目指す人には、あまり向かない仕事だとも思いますが、こつこつと、少しずつでも自分の領域を広げることに喜びを感じられる人には勧められる仕事だと思います。
 TQE合格はあくまで入口です。自分もまだまだ実力不足で、この先、生き残れるかどうかわかりません。皆様もどうぞ頑張ってください。

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