ひとり演習
ジェーン・エア演習17
<終>(19/02/13)
  My eyes were covered and closed: eddying darkness seemed to swim round me, and reflection came in as black and confused a flow. Self-abandoned, relaxed, and effortless, I seemed to have laid me down in the dried-up bed of a great river; I heard a flood loosened in remote mountains, and felt the torrent come: to rise I had no will, to flee I had no strength. I lay faint, longing to be dead. One idea only still throbbed life-like within me—a remembrance of God: it begot an unuttered prayer: these words went wandering up and down in my rayless mind, as something that should be whispered, but no energy was found to express them—
  “Be not far from me, for trouble is near: there is none to help.”
  It was near: and as I had lifted no petition to Heaven to avert it—as I had neither joined my hands, nor bent my knees, nor moved my lips—it came: in full heavy swing the torrent poured over me. The whole consciousness of my life lorn, my love lost, my hope quenched, my faith death-struck, swayed full and mighty above me in one sullen mass. That bitter hour cannot be described: in truth, “the waters came into my soul; I sank in deep mire: I felt no standing; I came into deep waters; the floods overflowed me.”

 目を閉じた。まるで渦巻く闇に囲まれたようで、暗くとりとめのないことばかりが頭をよぎる。おしまいだ、忘れよう、しかたないもの。まるで乾ききった大河の川床に身を横たえているようだった。遠くの山々から水が放たれた音が聞こえ、激流がやって来るのがわかった。身体を起こすか。その気はない。逃げるか。そんな力はない。ぼんやりと横たわったまま、死を望んだ。ただひとつ、わたしの内で生きているように震えるものがあった。神の記憶。それが言葉にならない祈りをもたらした。
「わたしを遠く離れないでください。悩みが近づき、助ける者がないのです。」
祈りの言葉は闇に閉ざされた心の中をあちこち動き回り、言葉にして唱えなければ、と思うものの、力がでなかった。
 それは近づいていた。そして逃れるための祈りを神に捧げなかったから――手を合わせることもなく、膝をつくこともなく、唇を動かすこともなく――、来てしまった。激流が怒涛のごとくわたしに襲いかかった。孤独な人生だったこと、愛する人を失ったこと、希望を失ったこと、人を信じられなくなったこと、それらがすべて頭に浮かんで、陰気な塊りとなって重くのしかかった。そのときの辛い時間は言葉に表せない。聖書の言葉通り「大水が流れ来て、わたしの首にまで達しました。わたしは足がかりもない深い泥の中に沈みました。わたしは深い水に陥り、大水がわたしの上を流れ過ぎました。」だったのだ。

*My eyes were covered and closed。創世記20-16の欽定訳にcovering of eyesが出てきます。聖書の文言や神についての言及が続くことを考えると、これも聖書からの引用かもしれませんが、ここでは素直に目を閉じて聖書の文言に身をゆだねる、と考えました。
*self-abandoned, relaxed, and effortlessはI seemed…にかかる副詞句ですが、この時のジェーンの気持ちを考えて、分離して処理しました。
*it begot an unuttered prayerの後ろに、胸の内に祈りの言葉がよみがえったが口に出せなかったと説明が続き、その後にダーシを介して実際の祈りの言葉が紹介されています。日本語として考えたとき、祈りをもたらした→祈りの言葉→でも口にできなかった、の順番がふさわしいと判断。いつもは原文の通りに、と言っていますが、ここでは変えてみます。
*Be not far from me, for trouble is near: there is none to help.は詩篇22-11より。
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*The whole consciousness of ~は、my life lorn, my love lost, my hope quenched, my faith death-struckの4点を導きます。faithは「信頼」?「信仰、信心」? 神の記憶が残っているのだから「信仰、信心」ではなく、最後の最後で嘘をつかれたことで、人が信じられなくなったのだから、「人を信頼する気持ち」を表わすのだと思います。
*the water came into my soul以下は詩篇69-1、2、3より。
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