コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
本のタイトル(15/03/03)
昨年5月にいただいた翻訳の仕事が、ようやく形になりました。

『バレエの世界へようこそ』河出書房新社
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英国ロイヤルバレエが監修した、バレエの歴史、作品、舞台裏など、バレエの基礎知識が詰まった少し大きめの本です。写真がいっぱい、というか写真がメインの本と言った方が正しいかも。美しく華麗です。子ども向けの大型本なのですべての漢字にルビがふってあります(総ルビ)が、一般の読者にも十分楽しんでもらえる内容です。

原書のタイトルは Ballet Spectacular。直訳すれば「華麗なるバレエ」でしょうか。最初、「バレエ、華麗な世界」的な訳をつけたのですが、不採用。これでは読者をひきつけないんですね。子ども向け、ということもあったし。原書を読むと、たしかに読者に、特に子どもたちに語りかけているので、そういうタイトルを考えるべきでした。実際、バレエ素人の私自身もこの本のおかげでバレエを知り、興味を持つようになりましたから、「ようこそ」スタイルはぴったりなタイトルなのです。

以前出版した児童書『ママ・ショップ 母親交換取次店』では、原書のタイトルがThe Mum Shopでした。レジュメの段階でわたしがつけた仮タイトルは「やっぱりママがいい」でした。今思うと、深刻な内容が想像させられますね。冒険物語みたいなすごく楽しい本なのに。なんでそんなタイトルを考えちゃったんだろ…。日本語なら「マム」ではなく「ママ」、それから「ママ・ショップ」って何?となるだろうから、いかにもお店らしい説明をつけよう、と編集者さんが考えて(たぶん)、そういうタイトルになりました。(「ママ」だけ採用されたことになるのかしら?)

読者の目をひくようなタイトルをつけるのは難しい。へんにひねらないで素直に訳した方がいい場合と、内容を考えて少し冒険した方がいい場合があるようです。5月に出る本も、タイトルに苦労しました。わたしが考えたタイトルが一発OKで採用される日は、いつになるでしょうか。

『バレエの世界へようこそ』河出書房新社

『ママ・ショップ 母親交換取次店』主婦の友社

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