コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
気になる本(17/06/03)
5月9日にアップした当ブログで、A wrinkle in timeの書影を載せました。これは、1963年に初版が出た作品で、アメリカの児童文学賞ニューベリー賞を受賞しています。日本では1967年にあかね書房の国際児童文学賞全集第9巻、邦題『五次元世界のぼうけん』(渡辺茂男訳)で登場しました。今は絶版です。児童向けのSFの先駆けと言われていて、科学と想像のコラボはなかなか興味深い。英語が易しいこともあって、一気読みしました!
 
面白かったので、あかね書房の本があれば借りて読んでみようと思って、近所の図書館へ行ってきました。すると開架式の書棚にはなく、なんとバックヤードの書庫の奥から持ってきてくれるではありませんか。それだけで昭和の本、という感じ。訳文は古いです(半世紀前ですからね)。わたしならこう訳すけどなあ、と付箋を貼りながら読んだのですが、そこは原文の力ですね、こちらも最後まで一気読みでした!


この作品、倫理、宗教、宇宙科学、物理、数学、またホメロス、パスカル、セネカ、ダンテなどの名言など、児童書としては難しい記述があちこちに見られますが、ヤングアダルトの作品だと思えば、背伸びしてでも読む価値はあるでしょう。主題は、自由や平和、家族愛、異質なものの理解と寛容など。21世紀でも普遍のテーマです。書庫の奥にしまわれた作品ですが、現代の子どもたちにも読んでほしいと思いました。

続編はA Wind in the Door、A Swiftly Tilting Planet、Many Waters、An Acceptable Time。そのうちA Wind in the Doorが『エクトロスとの戦い』、A swiftly Tilting Planetが『時間をさかのぼって』でサンリオから出版されています(どちらも絶版らしい)。英米では児童書の古典ということで、今でも人気のある作品だそうです。どこかで新訳を出そうと思わないかしら?

続編も読んでみたいと思って、注文しました。

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