コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
プロとアマチュア(17/09/14)
8月の終わりに洋書の森で開催された「夏の翻訳文化祭2017」。
こちらをクリック!
6人の講師が、出版翻訳に直接的に間接的に関連するテーマで講演しました。その中で強く印象に残ったのが、ある講師による「プロとアマチュア」の話。

プロの翻訳者とアマチュアの翻訳者、と聞くと、前者が仕事として翻訳をしている人、後者は楽しみで翻訳をしている人、と考えますが、その講師によると、プロは翻訳で生計を立てている人、アマチュアは翻訳で必ずしも収入を得られるとは限らない人、になるようです。

わたしの周りを見ると、産業翻訳ではしっかり生計を立てている人が多いのですが、出版翻訳では、学校・予備校の教師をしながら翻訳する人、産業翻訳を収入の大きな柱にしてときどき翻訳する人などが多いようです。または年金生活に入って、翻訳する人とか。

中には、産業翻訳から出版翻訳に主戦場を移して活躍する人もいますし、家庭人としての役割や教師の仕事などと上手に両立させて、翻訳者として成功している人もいます。そういう人たちは、間違いなくプロです。仕事は途切れることがなく、自ら発信して出版界を盛り上げる役も担ってくれる正真正銘のプロ。

わたしは、というと、かの講師によれば、アマチュアの部類に入ります。これで生計をたてているわけではないから。でもちょっと不満。どの仕事もプロのつもりでやっているのに、と思っていたら、かの講師はこうも言いました。アマチュアだから、自分の好きな本を選べる、自分が訳すべき本を探し、待つことができる、と。そういえば、スピリチュアル系や政治・経済系の本は訳さない、と言って、わたしはえり好みをしています! そんなことをしていたら、仕事がなくなりますよ、と忠告されても、嫌いなことはできない、などと不遜なことを言っています!

プロになるには本人の気持ちだけではどうにもならない部分があり、環境に左右されることが多いのですが、アマチュアで突き進むのなら、今のわたしにもできる、と合点しました。

出版翻訳だけで生きていくのは相当な覚悟が必要です。生活の地盤を整えながら翻訳を続けるだけの能力と体力と気力。出版につなげる幸運の女神さまを振り向かせる魅力も持たなければなりません。プロの翻訳者はそういう力と覚悟を持って活躍しています。アマチュアの翻訳者は、それを目指して日々努力しています。

最後に、誤解なきよう一言。どの翻訳者も、気持ちはプロです。この一冊を全身全霊で訳して、出版に関わる人たちと協力して世に送り出すことを、何よりの喜びに思っています。誰がなんと言おうと、プロの仕事をしていますから。

このサイトは翻訳学校サン・フレア アカデミーの運営です。

PAGETOP