コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
フランス文学に再挑戦(17/10/06)
どこかで話したことがあるかもしれません、わたし、フランス文学が苦手です。学生時代にフランソワーズ・サガンの『悲しみよこんにちは』(新潮文庫)を読みかけて、挫折しました。以来、肌が合わないと決めつけて、フランス文学からは遠ざかっています。

サガン、内容が理解できなかったのだと思います。それがストーリーのせいなのか、訳のせいなのか、わかりません。ストーリーのせいだとすれば、フランス文学自体になじめないわけで、それは致命的。訳のせいだとすれば、訳者が変われば読める可能性はあります。

先日、英仏翻訳家の河野万里子さんのお話を聞く機会があって、コレットの『青い麦』の話が出ました。『青い麦』は中学生・高校生の時期に今は廃刊となった旺文社文庫で読んだという記憶があります。内容はすっかり忘れていますが、読んだのですから、初めからフランス文学を避けていたわけではなかったはず。きっとわけがわからないならわからないままに、海外文学という響きに酔って、ひたすら字句を追っていたんでしょう。

『青い麦』も『悲しみよこんにちは』も主人公が若者なので、この年齢で物語の中に入っていけるかどうかわかりませんが、河野さんの話を聞いて、読んでみる価値はあるだろうと思いました。フランス文学は全般に「愛」を語っているようで、あの『星の王子さま』もそういう視点から考察ができるらしい(注1)。そんな「愛」をすなおに読めるといいな。とにかく、かつて挫折したときの訳者とは違う訳文で、河野さんの訳文で『悲しみよこんにちは』に挑戦しようと思います。

(注1)このあたりの話、11月18日に日本出版クラブでワインを飲みながら聞けます。詳細は洋書の森Facebook、こちらをクリック!をご覧ください。

これが最後まで読めたら、読書の幅が広がるだろうと思います。ここ何十年か、英米物しか読んできませんでしたからね。



余談ですが、先ほど紹介した旺文社文庫は、中学生から高校生にかけての時期、かなりお世話になりました。日本文学では夏目漱石の『三四郎』『こころ』『それから』、外国文学ではヘッセの『車輪の下』、C・ブロンテの『ジェーン・エア』、コレットの『青い麦』、ジイドの『狭き門』など、内容をわすれたものもありますが、けっこう幅広く読んだ記憶があります。その中で『ジェーン・エア』は大好きで、何度も何度も読み返しました。サン・フレアさんの「翻訳道場」(第38回~第42回)で課題につかったときは、実家から持ってきて、読み直したくらいです。
こちらをクリック!

『ジェーン・エア』(旺文社文庫、昭和46年重版)。ぼろぼろになってしまいましたが、函付きです。



旺文社は学習参考書や受験情報を主に扱っている会社ですが、当時は中学生高校生に読ませたい本をずらりと並べて、知識欲を刺激してくれました。象形文字をあしらった緑色の表紙が綺麗で、本棚に並べて眺めるのも好きでした。

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