コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
文尾の処理(18/04/27)
とても興味深いネット記事があったので、紹介します。
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キャサリン妃が第三子を出産した記事です。テレビのニュースでも見ましたが、美しいですね。お立場上、いろいろとたいへんなこともあると思いますが、まずは、おめでとうございます、です!!

で、この記事の何に興味をひかれたか、というと、文尾です。

記事の性質上、または読者対象を考えたとき、テンポよく、簡潔に書くことが求められるので、これはこれで良い訳文なのだと思います。でも、体言止めや、断定の助動詞「だ」や「である」を省いた文尾が多すぎる気がしませんか? たとえば冒頭。「キャサリン妃。」「スピード退院!」で読者の意識をひきつけているので、次は「異例の早さになった。」と抑えてもよかったのでは、と思うのです。

体言止めや「だ」を省いた表現は、リズムを整えたり読者の意識をひきつけたりするのに役立ちますが、頻繁に用いると逆効果になることもあります。文芸翻訳の場合、基本は「○○が△△。」ではなく「○○が、△△する・した」です。きちんと述部を最後まで訳して、その上で、全体のリズムを整えることをお奨めします。

かく言うわたしも、かつて恩師に、体言止めが多いな、と言われた経験があります。以来、気をつけています。もう一つ、あなたの特徴だ、と言われたのが、上で書いた「この記事の何に興味をひかれたか」のような言い方。「この記事で興味をひかれたのは、文尾です。」とすればいいのに、色をつけてしまうんですね。

翻訳者の文章(訳文)にも個性はあって、それは認められるべきことですが、もし気にして声をかけてくださった方があったら、素直に聞いて、軌道修正してみてもいいのでは、と思います。すべて、より良い訳文のため、です。

新しく参加する勉強会の準備で読んでいます。初めて読む作家さん。地味ですが味わいがあります。

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