コーヒーブレイクde翻訳
出版翻訳や、翻訳道場を始めとする翻訳指導など、日々の業務で感じたことをつづっています。
動物はあなどれない!(18/05/28)
自分が訳したものを読み直していて、はあ? と思う箇所を発見しました。

大男と小男が力比べ。大男が小男を高く高く投げ上げて、落ちてきた小男をキャッチ。そのあと、大男が「おまえはどうだ。クジラを投げ上げられるか?」と聞き、小男が「できるとも!」と答えて、大男を投げ上げた、というお話。

え? クジラ? 投げ上げたのは相手の大男じゃないか? どうしてここにクジラが出てくる? 

原文は確かにwhale。辞書を引き直しました。すると、whaleに俗語として「大きな人、太った人、大酒のみ」という意味があるではありませんか!!!

どうしてちゃんと調べなかったんだろう。知っている単語ほど落とし穴になるぞ、と何度も何度も聞かされていたのに。穴があったらはいりたい……(もう落ちてしまっているよ)。

というわけで、身近な動物の意外な意味を調べてみました。(ジーニアスより)

dog
*「(オオカミ・キツネなどの」雄」、a dog wolf「雄オオカミ」
女性がI would be a foxと言って、彼女に恋する男性がI would like to be a dogと言ったら、
「わたしはキツネかもよ」「それならぼくはイヌになりたい」ではなく、
「わたしはキツネかもよ」「それならぼくはオスのキツネになりたい」となります。
*動詞もあります。「〈人・足跡〉をつけまわす、尾行する」犬っぽい。

cat
*「《主に米略式》やつ」、 a cool cat「かっこいい人」、You scary cat!「臆病者! 弱虫!」
ほかにもcatを使った言い回しがたくさん見つかります。
*動詞もありますが、自動詞はかなり特殊。(英辞郎参照)

cow
*「(ゾウ・クジラ・アザラシなどの)雌」a cow elephant「雌ゾウ」
dogと同じような使い方ですね。
*動詞は、乳牛にしては乱暴な意味です。「〈人〉を(暴力・言葉などで)おどす、〈人〉をおどかして[…]させる」

goat
*「愚か者」や「身代り」の他に、「《米俗》[競馬](勝てそうもない)競走馬」があります。競馬物の本を訳すときには気をつけた方がよさそう。

spider
*「(なべなどを掛ける)五徳、《米》フライパン」むかしは、三脚がついていたそうです。ただ古い言い方なので、そう滅多には出てこないと思いますが、物語のシチュエーションによっては気をつけなければいけないでしょう。

mouse
*お馴染みの「(パソコンの)マウス」もありますが、「《俗》(目をなぐられてできた)黒いあざ」「(ボクシングの)目の下の腫れ」どうして黒いあざがmouseにつながるんでしょう…。


教訓: 丁寧に辞書を読もう。文脈をよく考えよう。少し時間をおいて、読者目線で読み返そう。

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